- オープニング映像
- オープニングタイトル『Lilium』の意味
- 『Lilium』の歌詞
- オープニング映像に出てくる絵画
- クリムト絵画とアニメ版絵画を比較し、考察する
- 作品名『抱擁(The Fulfillment)』(1905)
- 作品名『女の人生の三時代(The Three Ages of Woman)』(1905)
- 作品名『アデーレ・ブロッホ・バウアーの肖像(Portrait of Adele Bloch-Bauer I)』(1907)
- 作品名『女友達(The Girlfriends)』(1916)
- 作品名『メダ・プリマヴェージの肖像(Portrait of Mäda Primavesi)』(1912)
- 作品名『接吻(The kiss)』(1908)
- 作品名『水蛇1(Water Serpents I)』(1904)
- 作品名『水蛇2(Water SerpentsⅡ)』(1904)
オープニング映像
※この映像は日本語字幕に対応しているので、ラテン語の歌詞を日本語で理解することができます。
概要
ラテン語による讃美歌のような曲調、神秘的な女性絵画を描くことで有名な『グスタフ・クリムト』を元ネタとし、その絵画を模した絵をオープニングで流すなど、到底従来のアニソンとは思えない様式を見せている。
また、エルフェンリートのオープニング曲である『Lilium』であるが、国境の壁を越えて、各地の教会で歌われるほどのものとなっている。
参考動画↓
オープニングタイトル『Lilium』の意味
タイトルの “lilium” はラテン語で白ユリ(白百合)を意味する。
白百合とは、花言葉で「清浄」「ピュア」「尊厳」「純潔」「汚れの無い心」「純粋無垢」といった意味がある。作中ヒロイン(ルーシー/ニュウ)を白百合に例えて当てはめたものとされている。
また、キリスト教文化において、「白百合」は女性の純潔の象徴であり、聖母マリアのシンボルである。
『Lilium』の歌詞
この曲に使われている歌詞は全てラテン語で書かれており、どれも聖書から引用がされているとのこと。
オリジナル歌詞と日本語訳は以下↓のサイトで紹介されている。
オープニング映像に出てくる絵画
オープニング映像に使われている絵画は、『グスタフ・クリムト』の絵画をパロディーしたものとなっている。
彼の作風は、主に女性の裸体を主体にして描いており、甘美で妖艶なエロスと同時に、常に死の香りが感じられる。
クリムト絵画とアニメ版絵画を比較し、考察する
作品名『抱擁(The Fulfillment)』(1905)
備考
背景には旧約聖書に登場する「生命の樹」が描かれている。
考察
生命の樹の「実」を食べることで神に等しい力を手に入れることができるとされているが、ルーシーが新人類として神に等しい力をもって生まれたことを、生命の樹で暗示しているのだと考えられる。
作品名『女の人生の三時代(The Three Ages of Woman)』(1905)
※ASP運営サイトから警告通知が来たので、一部モザイク処理しています。
備考
この絵画は、幼少期、若年期、老齢期の女性を描くことで生から死の経過、つまり「女の人生」を表現している。老齢女性は若い二人の女性とは対極の位置づけをされており、背景のドーナツ状の模様は、新しい細胞の誕生を意味するもので「生」を象徴し、一方、うなだれた老婆の背景は細菌による分解、つまり「死」を象徴としている。
考察
純粋無垢な精神的に幼い女性を「ニュウ」(幼少期)、人間にも関わらずディクロニウス(ルーシー)を出産してしまった「母親」(若年期)、人類の敵とみなされ殺される運命にある「ルーシー」(老齢期)を各女性三人に当てはめているのだと考えられる。
また、母親は作中で登場してこないために、ここでは抽象的に「人形」として描写されているのかもしれないが、頭に角が生えていることから、「母親はディクロニウスでは無くあくまでも人間である」ことをダミー人形に角を生やすことで暗示しているのかもしれない。
作品名『アデーレ・ブロッホ・バウアーの肖像(Portrait of Adele Bloch-Bauer I)』(1907)
備考
『女の人生の三時代』のパロ絵画が流れている時、一瞬だけ描写される絵画
黄金で包まれた女性という名のタイトルでもあるようで、モデルは巨額の富を築いた夫の妻でセレブらしい。
作品名『女友達(The Girlfriends)』(1916)
※ASP運営サイトから警告通知が来たので、一部モザイク処理しています。
備考
『女の人生の三時代』のパロ絵画が流れている時、一瞬だけ描写される絵画
作品名『メダ・プリマヴェージの肖像(Portrait of Mäda Primavesi)』(1912)
備考
『女の人生の三時代』のパロ絵画が流れている時、一瞬だけ描写される絵画
作品名『接吻(The kiss)』(1908)
備考
実際のクリムト絵画におけるモデル(男性にキスをされている方)が赤髪であり、ルーシーを彷彿とさせる。
周りの金箔でモザイク調で描かれた服と背景は、周囲の世界が滅亡寸前で退廃的な様を表現しているとされている。そんなことが背景にあるにも関わらずこの二人は「接吻」を交わしている様にも注目だ。
考察
本編では、人類はいつか新人類(ディクロニウス)によって淘汰される運命にあるという背景があり、その中でも「接吻」という行為はそんな背景すらも忘れることができるものであることを暗示していると考えられる。
実際にそれは絵画に顕著に表れており、二人の顔の周囲だけはモザイク調で描かれ、現実味がある描き方をされていることから、周囲の絶望的な背景に目もくれていない様子を表現しているのだと考えられる。
実際に本編の13話で主人公とルーシーが接吻を交わすシーンでも、キスを交わすその時だけ、直面している絶望的な未来を忘れ、過去の思い出がフラッシュバックで蘇るシーンがある。
作品名『水蛇1(Water Serpents I)』(1904)
※ASP運営サイトから警告通知が来たので、一部モザイク処理しています。
作品名『水蛇2(Water SerpentsⅡ)』(1904)
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